少子化
少子化は、現代日本の大きな問題の一つです。
この国は子どもが少なくて困ったと言われますが、そうではありません。 この国の本当の問題は、子どもが少ないことではなく、「子どもが多すぎる」ことにあります。一体どういうことなのか、詳しく見ていきましょう。
少子化の原因は一体なんでしょうか。
晩婚化、未婚化、共働き家庭の増加......。様々なものが思い浮かぶと思います。でもこれは、根本的な原因ではありません。現代日本における少子化の根本的な原因は、「人を愛せないこと」にあると、私たちは考えます。
今の若者の中には、「好きな人がいない」という人が多くいます。表面上はコミュニケーションできているように見えても、実際は誰とも心が触れ合っていないのです。
この原因は、幼い頃、親に興味・関心を持ってもらえなかったことにあるのかもしれません。一番自分を見てほしかった幼少期に親にもらえなかった愛情を、自分で補おうとしているのです。そうして自分の殻に閉じこもり、自分ばかり見るようになってしまった若者は、他者に愛情を向ける余裕をなくしてしまいます。
さらに、「自分が嫌い」「家族が嫌い」という若者も多くいます。親の愛情を感じられずに育ち、現実の自分を愛せなくなってしまった、劣等感の深刻な若者たちは、自分のことはもちろん、家族のことも愛せません。できることなら尊敬できる人と家族になりたいのに、少し下に見ることができる人と一緒にいるくらいが楽。こんな状況では、「家族になりたい」と思える人と出会い、実際に家族として生活していくまでの道のりは、とても険しいものになります。
そして、そんな現代日本には「結婚したい」と心から思えるような、中身の伴った、本当の意味での「大人」がとても少なくなってしまっているのではないでしょうか。世間体だけを追い求めれば、人格を高めることは、さして意味を持たないのかもしれません。しかし、「家族」ともなれば、一番大切なのは中身、つまり人格です。
親の愛情不足により、自分も家族も他者も愛することができず、「子ども」の精神状態のままで大人になってしまった若者たちが、同じく「子ども」の人格のままで大人になってしまった異性と出会う。これでは、尊敬できる人と家族になるのは至難の業です。
人を愛せない「子ども」たちが、自分を受け入れ、人を愛することができる、本当の意味での「大人」になること。これこそが、根本的な少子化問題解決のために必要不可欠なことなのではないでしょうか。